神父さまのお話

 

新しい年を迎えて                 2023年1月

細江教会で働き始めてから、5回目の正月を迎えました。3年前に突然襲ってきたコロナ禍の波も、ついに第8波を迎え、完全に収束する気配もないまま、新たな共生の道を探る段階になりました。感染の心配で、教会から足が遠のいてしまった方も少なくありませんが、コロナのおかげで、今まで見られなかった教会内の動きも見られます。主日のミサの前に、聖堂ベンチの消毒や、受付での体温測定、記名等、地区ごとにお世話をされる方に感謝です。以前のような様々な研修会・親睦会といった活動ができなくなったのは残念ですが、おかげで、それぞれの信仰を深め、より広い世界の中での、自分たちの教会という意識を高めることにもつながったのではないでしょうか。

 教会に来られない方たちのためとして、ディン神父様が始められた「祈る花」注(日本語とベトナム語)は、第三修練のためにフィリピンに行かれた後も続けられています。現代の進んだ技術のおかげで、日々のみ言葉が、遠隔の地に住む方々のもとに送られることは、実にありがたいことです。ディン神父に代わって、昨年8月に派遣されたトアン神父様は、教会と幼稚園、特にベトナム出身の青年たちのために精力的に働く傍ら、素人の域を超えた腕で畑仕事に専念し、新鮮な野菜を提供してくださいます。司祭の高齢化が進む中、こうした若く有望な働き手が送られることに感謝しなければなりません。

 コロナの影響、また、隣接の天使幼稚園の仮設園舎確保の問題もあって、やや滞っていた教会建て替えの計画も、昨年夏前から一気に具体化し、今年の8月には現聖堂の解体、そして、新聖堂の建築と工事が加速し、来年秋には新聖堂が完成する予定です。建設委員会、宣教司牧評議会、地区会などで活発な意見交換がなされたこと、そして、すべてにかかわってくださった信徒会代表の皆さんに心からお礼申し上げます。築後50~60年の歴史をもつ聖堂(隣接する天使幼稚園の建物を含め)には、少なからず、愛着がありますが、老朽化による危険から解放され、よりコンパクトで、変化の激しい時代を生き抜くための聖堂ができることを期待しています。前任の百瀬神父様の時代に始められた建設資金の積み立ても相当の額に達していますが、それだけでは、現聖堂棟の解体・新聖堂の建築、外構整備等、すべての費用を賄うことができません。広島教区やイエズス会からのご支援も期待しておりますが、わたしたちの細江教会は、少しでも、わたしたちの力で立ち上げたいという思いを実現するため、今後とも、皆様のお祈りとあたたかいご支援をお願いいたします。
                       細江教会主司祭
                        作道 宗三
注:末尾の関連リンク「祈る花(INORUHANA)」をご参照ください



トァン神父様の着任のご挨拶

ベトナムから参りましたペトロ グエン・ヴァン・トアンです。
2016年9月から2018年3月まで中間期生としての私がこの下関の細江教会でお世話になりましたこと、どうもありがとうございました。これからもまたよろしくお願いいたします。細江教会を出た4年目になった昨年9月4日に東京で司祭に叙階されました。そして、細江教会に戻ってくる前に、約4か月防府教会に派遣されていました。自分がいたことがある細江教会に派遣することになったと分かった時に、本当に嬉しかったのです。だからといって、心配することはないとは言えません。それは日本語のことです。中間期の時とは違って、今では助任司祭としてミサにおけるみ言葉の分かち合いをしたり、ミーティングなどに出たりする機会が次第に多くなりそうなので、心配しているということです。この問題は日本にいる限り残る問題だと思っております。ですが、神様の恵みと皆さんの支えと励ましによって、神様に示された道を忠実に生きることができると信じております。
教会を建て替えるとの話は随分前から聞いておりましたが、それがいつ実行されるかは全く分かりませんでした。しかし、こちらに戻ってきた1ヶ月の間、来年の夏ごろ建て替えることになったとの話を聞いて、私は何という嬉しさを感じています。もちろん、工事中にはミサや教会の活動などが不便になると分かっていますが、何というより皆さんと一緒に「同じ船」に乗ってこれから建てられる教会そのプロセスに参与させてもらうことが本当に嬉しいのです。目に見えるものを通して目に見えない恵みが与えられるという聖アウグスチヌスの秘跡の理解によりますと、私たちの教会そのものは秘跡だと言えます。なぜかというと、教会という目に見える建物を通して、神様はそこに集まる人々に恩恵を与えてくださるからです。教会に集まる人々に限ることではなく、教会を見る人にも何らかの形で恵みを与えてくださると信じています。人々のための秘跡となる教会を建て替えるそのプロセスに参与するという風に考えますと、私には本当に恵みです。

  

       トアン神父         近藤信徒代表

 

 

 

 

 

 

 

               

 



  ※ 教会だよりに、毎月「神父様のお話」が載っています。